待降節第3主日 12月11日(喜びの日曜日)

心の静けさの中で


【メッセージ】
「静けきこの夜、星は光り」の歌が
クリスマスを前にして、響きます。
永遠の御者が夜の静寂の中に、人知れずお生まれになります。 

人間が想像できない出来事が全人類の上に、
そしてわたしの上に現実となって現れます。
その喜びと驚きは、生活の中で味わうことのない
聖なる喜びです。
それは人間の生活体験の延長ではなく、
全くの神の世界から、上から下る
 神の特別な喜びを反映します。

「静けき」の歌はこの喜びの本質をよく説明しています。
イザヤが救いは静けさにある、というように、
喜びも静けさの中にあります。

永遠の神のことばはベツレヘムで人間になりました。
野宿する羊飼いの元、荒れ野の洗礼者ヨハネの元に
神のことばは下りました。
沈黙の静けさの中に神よりのメッセージは響きました。

教会が待降節に、節制を勧めるのは、
静けさのうちに主の降誕を準備する伝統でしょうか。
修道院でも、この季節、通信、電話、メディア、
過度の談話などを避けます。
自分の心の一切の騒がしさから離れ、近づくキリストに心を向けます。
 心の静けさの中で神の喜びを聞くためです。 

光輝に満ちた方が、貧しさのどん底に降りて来てくださるのは、
わたしたちの救いのためですが、
聖書の預言通り、キリストは霊の人として来られ、
聖霊の力をもって、すべてを一新されます。

主の降誕によって、わたしたちも霊の人として、新しく生まれます。
物質化した世界を霊の次元で見ることが出来るようになります。
それは霊による新しい喜びの世界です。
これこそ、キリストがもたらしてくださったまことの喜びです。
                  
          (シトー会伊万里の聖母修道院  Sr. 渋谷節子)