待降節第4主日 12月18日

 ダビデの子

【メッセージ】

 ユダヤ人たちは「メシア(救い主)はダビデの子、
ダビデのような理想的な王としておいでになる」と信じていました。
マタイ福音書は、こうした考えを抱いている人々に対して
救い主の真実を語ります。
 
 イエス誕生の時、イスラエルには
ダビデ王の血筋による王はいませんでした。
ヘロデという王がいましたが、彼はイドマヤ人で、
実際はローマ皇帝がパレスチナ支配の実権を握っていました。

 救い主誕生に際して、重要な選びが行われました。
母となるマリアの選びです。そして、神はもうひとり、
救い主を養い、守る父親としての存在を選ばれます。ヨセフです。
彼はダビデ王の血筋でした。
ヨセフが、胎内に新しい命を宿したマリアを妻として迎えたことにより、
そして生まれた子に「イエス」という名を付けたことによって、
人となられた神はダビデの血筋に入ることになったのです。

 マタイが指し示そうとしている、まことの「ダビデの子」は、
神のご意志に自分の意志を合わせて生きていく、神の僕ヨセフであります。
ヨセフは、神がマリアの身に行われたこと、
そのすべてを信じて、すべてを受け入れ、
イエスをほんとうのわが子として抱きしめた人なのです。
このヨセフを通して、イエスはダビデの子、
来るべきメシアとして、その使命を果たします。

 神がひとり子のためにお選びになったマリアとヨセフは、
神が求められることに全力でこたえていきます。
神の恵みと力に信頼し、苦悩を乗り越えて、
彼らは新しい地平へと導かれていきます。
  
               (新田原教会主任・牧山美好神父)