主の降誕 12月25日

「闇の中を歩む民は、大いなる光を見た」
              (イザヤ九章一節)。


【メッセージ】

きょう、多くのキリスト教会で、多くの光を灯し、
この聖書の言葉を唱えたり、歌ったりして、
クリスマスをお祝いしたことでしょう。

 救い主の到来を告げるイザヤ預言者の言葉、
そして何よりもイエス・キリスト自身が「わたしは世の光である。」
(ヨハネ八章十二節)とおっしゃったことに由来して、
キリスト教会では多くの光を灯してイエス・キリストの誕生をお祝いします。

私の教会の前の大通りの向こうにはデパートがあり、
先月上旬頃から大通りに面したその広い壁面いっぱいに
イルミネーションが輝いています。
冬空の下の冷え冷えとした空間がその光によって照らされ、
道行く人の顔も輝いて見えます。

きっと、この光の輝きで多くの人々が暖かいものを感じ、
癒されたことでしょう。

でもクリスマスが過ぎれば、そのイルミネーションも片づけられ、
大通りを行き交う無数の車のヘッドライトが通り過ぎるだけの、
光が輝いては消え去るだけの空間に戻ります。
そうするとこの場所は、冬の寒々とした暗い場所となってしまいます。

でもイエス・キリストの光の輝きは、それとは違います。
私たちの心と社会を隅々まで、いつも照らし出している光りです。

その光は、輝いては簡単に消えていくはかないものではなく、
他者のために自分を与え尽す無償の永遠の愛の光りです。

今年もまたクリスマスをお祝いしながら、
イエス・キリストの愛の光りをいっぱい浴びて、
わたしたちの心にもその光を灯し、
それをずっと輝かし続けることができるようにと願いたいものです。
             
                (手取・帯山教会主任 櫻井尚明神父)