神の母聖マリア 1月1日

『私の平和をあなたの上に』


【メッセージ】

「私はあなた方に平和を残し、
 私はあなた方に平和を与える」(ヨハネ14章参照)。
これはイエスが最後の晩餐で言われたものである。

そして、イエスの言われる平和とは
戦争状態ではない時の平和というより、
悪に対する勝利からの平和を言うのである。
換言するならば、悪の誘いや自己の弱さの渦中にあって
平和は訪れないということになろう。

さて、善なるイエスから発せられる平和は人の隅々にまで届き、
心を安らぎで潤わせるのである。
『イエスが共にいてくださる』ことが安心であり、
平和をもたらすのである。

かつて天使ガブリエルから「あなたは女の中で祝福された方です。
お腹にできるお子様も祝福されたお方です」(ルカ福音書1章参照)
とお告げを受けられたマリアは不安に陥った。
この挨拶は何のことだろうと思いまどったのはそのためである。

しかし、その後の天使の言葉、「これは神の業です。
神にはできないことは何一つありません」と神の全能性を説かれた時、
マリアは「み旨のままに」と自分を委ねたのである(同1章)。
その時にマリアの心には平和が訪れて、自由になったのである。

つまり、自分自身を神に委ねた時に、
「インマヌエル、神が共にいてくださる」という気持ちにしてもらえ、
「どんな状態でも神がそばで見ていてくださる」という
喜びに変わったということである。

2000年ほど前に、祝福されてこの世にお出でになった神の御子は成長し、
人を祝福し、平和を与えてくださる方となられた。
もう何も恐くない、もう何も求めない。必要なのは「主の平和」のみである。
クリスマスのプレゼントとしていただいた救い主からのみ言葉
『私の平和をあなたの上に』を大切に生きていきたい。

                      (佐賀教会 下町豊重神父)