待降節第4主日 12月24日

あなたと共にいる

〔聖書朗読箇所〕
 第1朗読  サムエル記(サムエル下 7:1-5、7:8b-7:12、7:14a、7:16)
 第2朗読  使徒パウロのローマの教会への手紙(ローマ 16:25〜16:27)
 福音朗読 ルカによる福音 (ルカ 1:26〜1:38)

【メッセージ】

「『見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。
その名はインマヌエルと呼ばれる。』
この名は、『神は我々と共におられる』という意味である。」
(マタイ1章23節)

「わたしはあなたと共にいる」。このメッセージを届けるために、
神さまは愛するひとり子、イエス・キリストをこの世に誕生させました。
その誕生を実現させるために、選ばれたマリア。
神から遣わされた天使ガブリエルは、マリアに告げます。
「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる」
(ルカ1章28節)。
今日の聖書朗読の箇所です。

この言葉に戸惑うマリア。
さらにイエスの命が自分の胎に宿ることを告げられて、
「そんなことがあるはずがない」と問い返すマリア。
しかし、神からの遣いである天使の言葉によって、
神の救いの計画に参与することを受諾されます。

「わたしはあなたと共にいる」という主の存在を、
一番近くで感じ体験することになったマリア。
そんなマリアも、その人生の歩みの中で、
「主よ、あなたはどこにいるのですか」と訴えたくなる気持ちに
なったこともあったのではないかと想像します。
出産を間近に泊まる場所がなかなか見つからないとき。
幼子イエスを連れてエジプトに逃げなければならなかった時。
ヘロデ王が子どもたちを皆殺しにしたと聞いたとき。
愛する夫ヨセフが亡くなったとき…等々。

しかし、その度に「おめでとう、恵まれた方。
主があなたと共におられる」との言葉、
それを受け入れることによって展開した喜びのひろがりを心にとめ、
さらなる一歩を踏み出したことでしょう。
「わたしはあなたと共にいる」という主の愛を具体的に生きるイエスの姿、
そのイエスを信じる人々との交わりもマリアの歩みを支えたことでしょう。

「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる」。
今日、この言葉はあなたに届けられています。この「いのち」のプレゼント。
受け取ってみませんか?開けてみませんか?

                    執筆者:平尾千衣子