イベント情報

イベント情報

第1回「世界こどもの日」教皇メッセージ

教皇フランシスコは、昨年の12月8日、「第1回World Day of Children(世界こどもの日)」を2024年5月に開くことを発表されました。

これに先立ち、教皇からメッセージが届きました。

                 

©Vatican Media

                       

第1回「世界こどもの日」教皇メッセージ

                    

大好きなこどもたち!

                

 初めての世界こどもの日が近づいてきました。ローマでは、5月25日と26日に行われます。だからあなたたちに、メッセージを送ろうと思いました。このメッセージを受け取ってもらえたらうれしいです。あなたたちに届くよう、力を尽くしてくれた皆さんに感謝します。

               

 わたしはまず、だれよりもあなたに、大好きなこどもたちの一人ひとりにお話しします。聖書が教えてくれるように、そしてイエス様が何度も示してくださったように、神様から見て、「あなたは価高い」(イザヤ43・4)からです。

               

 そしてまたこのメッセージを、あらゆる人にもあてます。皆さん全員が大切な存在だからです。皆、近くの人も遠くの人も、わたしたち皆の一人ひとりが、一緒に成長し、新しい自分になりたいという願いを現しているからです。忘れてはなりません。わたしたちは全員が子であり兄弟姉妹です。だれかがこの世に送り出してくれなければだれも存在できませんし、自分にとって愛する人、また自分を愛してくれる人なしに成長できる人もいません(回勅『兄弟の皆さん』95参照)。

               

 ですから、こどもの皆さんはだれもが、あなたたちの親にとって、家族にとっての喜びです。さらには人類の喜びでもあり、教会の喜びでもあります。皆さんの一人ひとりは、過去から来て未来へと続く長い長い鎖の輪の一つのようなもので、その鎖が地球全体を覆っているのです。だからいいですか、大人のいうことをしっかり聞いてください。お母さんのいうこと、お父さんのいうこと、おじいちゃんおばあちゃん、ひいおじいさんひいおばあさんの話にちゃんと耳を傾けることです。さらには、忘れないでほしい人たちがいます。あなたたちと同じくまだまだこどもなのに、病院や家で病気や障害に負けずにがんばっている子、戦争や暴力の犠牲になっている子、飢えや渇きに苦しんでいる子、路上で暮らしている子、親と引き離されて兵士にさせられたり避難民になったりしている子、学校に行けない子、犯罪組織や薬物などの何か逃れられないものや虐待の犠牲になっている子たちのことです。つまり今日、残酷にも子ども時代を奪われているすべての子たちです。こどもの皆さん、その子たちの声に耳を傾けてください。いえ、わたしたち皆で耳を傾けましょう。その子たちの苦しみは、わたしたちに現実を伝えているからです。涙で洗われた目で訴え、恐ろしい悪を目にして抱く幸福への強い願いを通してそれを教えてくれるのです。

                 

 わたしのお友達の、まだ小さな皆さん。新しい自分になるには、世界を新たにするには、わたしたちが一つになるだけでは足りません。イエス様とも結ばれなければなりません。わたしたちはイエス様から、たくさん勇気をもらっています。イエス様はいつもそばにいてくださり、その霊はわたしたちより先にいて、この世界の道を進むわたしたちと一緒にいてくれます。イエス様はこうおっしゃいます。「見よ、わたしは万物を新しくする」(黙示録21・5)。これが、第1回「世界こどもの日」のテーマに選んだ聖句です。この聖句は、聖霊がわたしたちの内面と周囲とに生み出す新しさをつかむのに、こどものように機敏であるよう招いています。イエス様といれば、わたしたちは新しい人類を夢見ることができますし、もっと兄弟愛のある社会、わたしたち皆で住む家である地球を思いやる社会のために一生懸命になれます。それは小さなことから始められます。あいさつをすること、何かの前に「いいですか」と尋ねること、謝ること、感謝を伝えることなどによってです。まずは小さなことを通して世界は変わっていきます。踏み出す一歩の小ささは恥ずかしいことではありません。まさに、わたしたちの小ささは、わたしたちは弱くて、一つのからだの部分として互いを必要としていることを思い出させてくれます(ローマ12・5、一コリント12・26参照)。

                

 ほかにも伝えたいことがあります。大好きなこどもたち、一人では幸せにはなれません。喜びは、分かち合うほど大きくなるものだからです。喜びは、わたしたちがもらった贈り物への感謝から生まれ、そしてその喜びは、もらったものを次にはほかの人たちに分けてあげることで大きくなるのです。もらったものを独り占めしたり、あっちがいい、こっちがいいと、だだまでこねたりするのは、お互いにとって、自分たち自身がいちばんの贈り物だということを忘れているからです。わたしたちは「神様の贈り物」なのです。それ以外の贈り物は、わたしたちがともに生きていくのに役立てるためにだけ用いるものです。そういう用い方をしないならば、不満ばかりで決して満足できません。

               

 ところが皆で一緒にいるなら、何もかもが違ってきます。お友達のことを思い浮かべてみてください。家で、学校で、教会で、遊び場で、どこででも、友達と、だれも仲間外れにせず、遊んだり、歌ったり、新しいことを見つけたり、大笑いして一緒にいるのは、なんてすてきなことでしょう。友情は最高のものです。我慢、勇気、創造力、想像力をもって、恐れず、偏見を捨てて、分かち合い、ゆるし合うことでしか、友情は強まりません。

                

 さてここで、大切なヒントを伝えようと思います。本当に幸せになるには、祈らなければならないということです。日々、たくさん祈ることです。祈りは、わたしたちを神様と直接結び、わたしたちの心を光と温もりで満たし、何事にも自信と落ち着きをもって取り組めるようにしてくれるからです。イエス様もいつも、御父に祈っていました。御父をどのように呼んでいたか知っていますか。イエス様のお国ことばで、単純に「アッバ」と呼んでいました(マルコ14・36参照)。「パパ」という意味です。わたしたちも「パパ」と呼びかけましょう。御父をいつも身近に思えるはずです。イエス様自身が、次のようにおっしゃってわたしたちに約束してくれたのです。「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである」(マタイ18・20)。

                

 大好きなこどもたち。5月には、世界中からのお友達と、大勢でローマに集まることは知っていますね。そのためにしっかり準備するよう、ぜひ、イエス様がわたしたちに教えてくださった祈り、「主の祈り」を祈ってください。朝と晩にいつも、それから家族と一緒に、ご両親、兄弟姉妹、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に、主の祈りを唱えましょう。ですが、呪文のようにではありません。それではだめです。イエス様がわたしたちに教えてくださったことばを味わいながらです。イエス様はわたしたちに呼びかけ、わたしたちがイエス様とともに、この「世界こどもの日」の主役となり、新しく、より人間らしい、正義と平和のある世界を作る者となるよう望んでいます。

                

 わたしたち全員を愛のもとに集めるために十字架上でご自身を渡されたかた、死に打ち勝ち、わたしたちを御父と和解させたかたは、教会で、わたしたちを通して、ご自身のわざが続くことを願っています。そのことをよく考えてみてください。とくに、初聖体の準備をしている皆さんは、それを考えてください。

                

 大好きなこどもたち。神様はどんなときもわたしたちを愛してくださっていて(エレミヤ1・5参照)、お父さんのようにだれよりも深い愛のまなざしを、お母さんのようにだれよりも優しいまなざしを注いでくださっています。神様はわたしたちを決して忘れはしません(イザヤ49・15参照)。毎日、わたしたちに寄り添っておられ、ご自分の霊によってわたしたちを新たにしてくれます。

                  

 至聖なるマリア様と聖ヨセフ様とともに、このように祈りましょう。

                  

聖霊、来てください。
あなたのすばらしさが
世界のこどもたちの顔に映し出され
わたしたちに示されますように。
イエスよ、来てください。
あなたはすべてを新たにし
わたしたちを御父へと導く道です。
来て、わたしたちとともにいてください。
アーメン。

ローマ
サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂
2024年3月2日
フランシスコ

                  

                

開催のいきさつなど、関連ニュースは下記よりご覧になれます。

                

世界こどもの日 開催 (外部リンク:ヴァチカンニュース) 

               

「第1回世界子どもの日」に向け教皇メッセージ  (外部リンク:ヴァチカンニュース)  

公式アカウント
Official account
page top
日本語English简体中文繁體中文Français한국어ဗမာစာEspañolTiếng Việt