平和を失った国
フランシス・ブ・リン神父(ミャンマー)
聖ドミニコ修道会司祭・箱崎教会助任
平和を享受するには、一人ひとりが家族の中でも、友人の間でも、仕事の場でも、国と国の間でも、争いから遠ざかり、平和を保つ必要があります。
残念ながら多くの国々に戦争が起こって、国民の心は平和から遠ざかり、平和が失われてしまいました。平和という言葉が何を意味するのだろうと問いかけたいぐらいです。
ミャンマーは独立以来、ほぼ70年間にわたって軍によって統治されてきました。歴史上、135の民族、ほぼ100の言葉、色々な文化と宗教、そして異なる原則が存在しています。
そのような中で、軍隊は国民が一つになるための力になるのではなく、逆にクーデターを数回起こして、軍に反する多くの人を殺しました。
今まで、武器に頼る軍隊に抵抗して、国民に危機を引き起こす事がないように国民を守るグループが存在しました。それでも、解決できず、ミャンマーは長い内戦が続いている国になってしまいました。
民主主義を味わい始めたばかりのミャンマーでしたが、コロナウイルスに襲われ、2021年2月1日に、クーデターが起こってしまいました。
多くの人々が逮捕され、拷問を受け、軍が村を砲撃し、多くの人々の命を落としました。
軍隊は人々を恐れて反乱を起こさないように、国民の家を焼き払い、占領しました。
多くの女性がレイプされたり、殺されたりしました。
若い者たちは国民を守るために学校へ行けず、PDF(人民防衛隊)に入って結局命を落としました。
老人や女性と子供たちは困難を抱えて森に隠れています。彼らは避難所、食料、毛布を必要としています。
物価は急激に上昇し、多くの人々が貧困に陥って、非常に苦しんでいます。
しかし、国軍が存在する限り、革命は続きますので、いつミャンマーが平和になるか誰も分かりません。
このメッセージを読んだ方々は、平和を失っているミャンマーをはじめ、色々な国のために、平和の源である神の御子イエスに祈り続けてください、心からお願いいたします。
私も日本のために、様々な災害から守られ、必要な恵みが与えられるよう祈っております。