第1回 1.環境問題への世界への取り組み/2.人間の生活環境の現実を正しく識別する
(以下の文章はカテケージスからの抜粋です。日本カトリック司教協議会会長カテケージス「環境問題と福音化」の全文はこちら(外部リンク)⇨https://www.cbcj.catholic.jp/2021/08/06/22923/ )
1.環境問題への世界への取り組み
「カトリック教会においては、環境問題への取り組みは以前から行われていたと思いますが、特に教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ Laudato si’』(2015年5月24日)の公布以後大きく取り上げられ、教会全体で取り組むべき喫緊の課題の一つとしてクローズアップされてきました。」
「教皇は、2019年の「被造物を大切にする世界祈願日」のメッセージの中で、9月1日~10月4日(アシジの聖フランシスコの記念日)を「被造物の時節(Season of Creation/ Tempo del creato)」とし、その期間中祈りをし、行動を起こすよう強く勧められました。」
「2021年5月25日、教皇フランシスコは、統合的エコロジーをテーマにした回勅『ラウダート・シ』が示す目標に向かって歩むための向こう7年間のプロジェクト、「ラウダート・シ・アクション・プラットフォーム Laudato si’ Action Platform」の発足を発表されました。<中略>回勅から採った目標として「地球の叫びへの応答」、「貧しい人の叫びへの応答」、「エコロジカルな経済」、「持続可能なライフスタイルの採用」、「エコロジー教育」、「エコロジカルな霊性」、「共同体としての取り組みと参加型の行動」の7つが掲げられています。」
2.人間の生活環境の現実を正しく識別する
「わたしたちの生活環境は、自然環境と社会環境から成っています。」
「自然環境の深刻な現実については、『ラウダート・シ』の第一章4で具体的に述べられています。大気汚染と気候変動、水の不足と汚染、多様な生物の絶滅など枚挙にいとまがありません。」
「社会環境は、人間の行動、生産から消費の生活に直接、間接の影響を与える社会的諸条件(組織、制度、階級、構造、慣習など)の総体を指しますが、自然環境と緊密かつ複雑に絡み合っています。」
「この二つの環境を、わたしたちキリスト者は、神および神とわたしたちとの関係の視点から見る必要があります。」
振り返りのポイント
日々の祈りの中で、私たちが自然環境や社会環境とどのような関わり方をしてきたか振り返ってみましょう。また、「すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り」を参考に祈りを深めましょう。
環境問題のどの分野に自分は関わり・行動するように招かれているのか。『ラウダート・シ』や「持続可能な開発目標(SDGs)」について学んでみましょう。
「被造物の時節(Season of Creation)」、身近に感じられる創造のわざを味わってみましょう。