第3回 3.環境問題と福音宣教 (2)人間の罪によって調和を失った世界、(3)失われた調和を回復させ一新したキリスト:A.わたしたち人間と神の関係
◆第2回はこちら⇨第2回 第2回 3.環境問題と福音宣教 (1)神が望んで造られたのは、神と人と自然環境が調和した世界
(以下の文章はカテケージスからの抜粋です。日本カトリック司教協議会会長カテケージス「環境問題と福音化」の全文はこちら(外部リンク)⇨https://www.cbcj.catholic.jp/2021/08/06/22923/ )
3. 環境問題と福音宣教
(2)人間の罪によって調和を失った世界
「聖書は、神が造られた世界の調和は、人間が神を神として認めず、その意に背いた結果失われた、と教えます。」
「神のみをいのちの源とし、善悪の唯一最高の基準とすべきという神の望みに従わなかった結果、人間は、まず神を避け、恐れて、隠れます。それは、『死ぬ』こと、つまり神との親しいきずなを失うことを意味します。」
「さらに人間同士は信頼関係を失い、支配関係に入ります。同時に、人間と環境との調和が失われます」
「人間は神によって義の状態に置かれたにもかかわらず、悪霊に誘われて、歴史の初めからその自由を濫用し、神に逆らい、自分の目的を神以外のところで達成しようと欲した。(…)しばしば神を自分の根源として認めることを拒否し、自分の究極目的に向けられているはずの秩序を破壊すると同時に、自分自身と他者および全被造物との間にある自らの完全な調和を破った」(『現代世界憲章』13)
(3)失われた調和を回復させ一新したキリスト
「御父はいっさいのものをご自分の独り子において刷新することを望み、救い主として世にお遣わしになりました。イエスは、『時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。』(マルコ1・15)と言って、救いのわざを始められました。」
「イエス・キリストは、壊されていた人間と神・人間同士・人間と環境の関係を立て直し、新しくしてくださったのです。キリストは、十字架上で死ぬという神の愛によって、まず人間と神を和解させ、同時に人間同士と環境との和解を実現しました。この出来事が『福音』です。」
(3)A.わたしたち人間と神の関係
「福音は、まず、イエスご自身が神の愛の現れだということです。神がまずわたしたちを愛してくださったのです。」
「イエスは、神からの愛を表すことによって、ご自分の方から人間との和解を実現し、壊れていた人間との関係を回復し新しくしてくださいました。」
「イエスは十字架上でいのちをささげることによって人類を救いました。十字架の縦の木は、神の人類への愛と同時にイエスが代表する人類の神への愛を象徴し、横木はイエスの人類兄弟への愛と同時に人間同士の愛および被造物への愛を象徴していると言うことができるでしょう。そして縦の木がなければ、横木は成り立ちません。つまり、神からのわたしたちへの愛と、わたしたちからの神への愛が土台となって、わたしたち同士と自然環境との関係も成立するのです。」
振り返りのポイント
祈りのうちに自分自身の神との関係、イエスとの関係を振り返りましょう。
また、「すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り」を参考に祈りを深めましょう。
「神からのわたしたちへの愛と、わたしたちからの神への愛が土台となって、わたしたち同士と自然環境との関係も成立するのです」とあります。この土台に軸を置いて、日々、周囲の人や自然に心を向けてみましょう。そして、日々の生活の中で、神の創造された「調和」に応える選びをしましょう。
「神がまずわたしたちを愛してくださった」ということをゆっくりと味わいましょう。