特集:「コロナ禍の中にこそ、すべてのいのちを守る」⑪
9月1日から11月30日まで、福岡教区養成教化委員会の企画で、フランシスコ教皇訪日の際に使われたメッセージ「すべてのいのちを守る」をさらに考え、その理解を深めるために資料が提供されます。毎週火曜日更新。
「コロナ禍の中にこそ、すべてのいのちを守る」⑪ 2020年11月10日
~教皇フランシスコと共に考え、実践するために~
「 今こそ、不平等を解消し、人類家族全体の健全性を土台からむしばむ不公正を改める時です。使徒言行録に描かれている初期キリスト教共同体から学ぼうではありませんか、あわれみを受け、あわれみを携えて生きた、あの共同体です。」
(教皇フランシスコ『パンデミック後の選択』60頁)
エゴイズム — より悪質なウイルス
教皇フランシスコは2020年の復活節第二主日(神のいつくしみの主日、2020年4月19日)の説教で「より悪質なウイルス」に気をつけるように呼びかけています。
「より悪質なウイルス、無関心なエゴイズムというウイルスに侵されるかもしれない危険があります。自分にとってよければ生活が改善しているという考え、自分にとってよければよしという考えによって拡散されるウイルスです。そこから始まり、とどめは、人を選別し、貧しい人を切り捨て、発展という祭壇に後進の者を犠牲として供するのです。ですが、今回のパンデミックが思い出させてくれるのは、苦しむ人の間には、違いも隔たりもないということです。わたしたちは皆弱く、どこも変わることなく、だれもが大切な存在です。」(教皇フランシスコ『パンデミック後の選択』60頁)
教皇フランシスコは、これからどうすればいいのかを示します。
「起きているこの出来事が、わたしたちを内奥から揺り動かすものとなるよう期待します。今こそ、不平等を解消し、人類家族全体の健全性を土台からむしばむ不公正を改める時です。使徒言行録に描かれている初期キリスト教共同体から学ぼうではありませんか、あわれみを受け、あわれみを携えて生きた、あの共同体です。『信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合った』(使徒言行録2・44-45)。これはイデオロギーなどではありません。それがキリスト教なのです。」(教皇フランシスコ『パンデミック後の選択』60-61頁)
ふりかえりましょう
①この文章を読んで、あなたの心に留まったところ、響いたところはどこの部分ですか。それはなぜでしょう。
②この呼びかけに、あなたの生活の中でどのように応えることができるでしょうか。
9月1日から11月30日まで、福岡教区養成教化委員会の企画で、フランシスコ教皇訪日の際に使われたメッセージ「すべてのいのちを守る」をさらに考え、その理解を深めるために資料が提供されます。毎週火曜日更新。