福岡教区創立100周年2年目の歩み「『未来に開かれた教会』となる」
カトリック福岡司教区は、2027年7月16日に創立100周年を迎えます。

創立100周年を迎えるにあたり、昨年2024年の7月より準備期間として3年間を設け、宣教司牧方針の3つの柱
1.「出向いて行く教会となる」
2.互いに支え合う「交わりの教会」となる
3.「未来に開かれた教会」となる
の理解を深め、それに伴う共同体の歩みを行っています。
2025年7月13日からは2年目のテーマ「『未来に開かわれた教会』となる」に移ります。
福岡教区創立100周年・準備の2年目にむけてのメッセージ
教区長 ヨゼフ・アベイヤ司教
1年前に私たちは、福岡教区創立100周年記念日に向かって歩み始めました。一人ひとりにとって、信仰を深めるときとなり、福岡教区にとってこの地域に派遣された教会として福音を証しし、のべ伝える決意を新たにするために与えられた「恵みのとき」です。
福岡教区が創立された1927年7月16日から98年が経ちました。その間、信徒、修道者、司祭、司教の働きによって教会は成長し、この地域で福音の光が灯されたのです。今まで福岡教区を担ってくださった多くの人々に心から感謝しなければなりません。教区の宣教司牧方針に書いてあるように、「福岡教区の共同体が今まで歩んできた道を振り返って感謝します。また、福音に触れるときに伝わってくる情熱に促されて歩み続けようとしています。それによって、希望をもって将来に向かって行くことができると確信しています」。何回も繰り返したように、「感謝」「情熱」「希望」は私たちの歩みを導く光です。
同時に、長い歩みの中で教会は、福音の光を見失って自分中心にものを見たり、自分の都合だけでことを決めたり、排除されている人々に目を向けなかったり、また、人の心を傷つけたりしたこともあります。98年間の歩みを振り返るときに、これらの事実も見えてきます。神と人々にゆるしを求め、福音に立ち返る恵みを祈らなければなりません。教区創立100周年の記念日までの3年間は償いと回心のときでもあります。
準備の1年目は終わりました。「互いに支え合う交わりの教会となる」ことを目標にした1年目でした。「ともに歩む」喜びをより深く味わうことができたのでしょうか。典礼において声と心を合わせて神を賛美し、同じ食卓を囲んで養われてきた自覚が深まったのでしょうか。また、交わりを大切にしながら、みことばの分かち合いや様々な学びのプログラムを通して共同体の基礎と活動のための原動力を養う場を作ることができたのでしょうか。色々な理由で、共同体から遠ざかった兄弟姉妹のことを心にかけて、この方々とのつながりを作り直すように具体的に努力したのでしょうか。私たちの教会の交わりに人々を招き、温かく迎えるように十分に務めたのでしょうか。1年の間に与えられた恵み、喜び、励ましに感謝しなければなりません。
2年目のテーマに取り組む前に、1年間を振り返る必要があります、各小教区の委員会や総会でその振り返りを行い、前進できたことを感謝し、努力が足りなかったことを正直に認め、歩み続ける決意を新たにしましょう。1年、1年は神様の賜物です。大事にしたいと思います。
そして、2年目を迎えます。2年目のテーマは、「未来に開かれた教会となる」になっています。特に、青少年の司牧と外国から来られた信徒とのつながりを深めることを目指しています。教区の宣教司牧方針にもっと細かくこのテーマの取り組みが説明されていますし、各小教区や地区でできることについてのヒントが示されています。また、個人的にできることも勧められています。それぞれの小教区で、2年目の間に特に何を大事にしたいかについて話し合っていただきたいと思います。青少年との関わりは、どの共同体にとっても重要な課題です。その取り組みを活性化するためのよい機会になるように祈ります。
今日の典礼の中でいただいたみことばは、この2年目の歩みを照らしてくれます。「永遠の命を受け継ぐために」難しいことは要求されていません。ただ、遭遇する出来事や人々との出会いを真剣に受け止め、その中から聞こえてくる「神の呼びかけ」に耳を傾けて、具体的に応えることです。
追いはぎに襲われた人に出会ったサマリア人はこれを示しています。彼は律法の一番大事な掟を実行しています。「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。また、隣人を自分のように愛しなさい」。あのサマリア人は倒れている人を前にして、その人を助けてあげました。これは「永遠の命」に導く道です。質問した律法の専門家にイエスは、ただ、「行って、あなたも同じようにしなさい」と言いました。今日の典礼の第一朗読のことばの意味を明らかにする場面です。「み言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる」。み言葉を心に留め、行うことは「未来に開かれた教会」を築く道です。
100周年の記念日に向かって歩み続けます。特に、2年目の間、私たちの教会の未来を築いていくために大きな役割を果たすはずの青少年や外国から来られた信徒との関わりを深めながら進んでいきましょう。年齢、職業、活動などの多様性に富んだ共同体の絆を深めながら、みことばに耳を傾け、具体的に置かれている場において福音を生きるように支え合っていきましょう。
今日、ミサの中で福岡教区創立100周年のための祈りを唱えると思います。特に最後のことばを深く味わってください。「天の父よ、これからもあなたの愛にとどまりながら、聖霊に導かれて福音の光をともしていくことができるように私たちを見守ってください」。恵み豊かな2年目になりますように。

―各国語によるメッセージ―
⇒ MISA DE INICIO DEL SEGUNDO AÑO DEL CAMINO HACIA LA CELEBRACIÓN DEL CENTENARIO DE LA DIÓCESIS
⇒ Thông điệp. NĂM THỨ HAI CHUẨN BỊ.KỶ NIỆM 100 NĂM THÀNH LẬP GIÁO PHẬN FUKUOKA
そしてこの日は、教区創立100周年に向かう2年目の歩みを始めるにあたり、全小教区で心を合わせこの意向でミサが捧げられます。
※ 下記をクリックの上、ご視聴ください。
この3年間の道のりが、めぐみ豊かな歩みとなりますように。
福岡教区創立100周年のための祈り
天の父よ、
福岡教区のこれまでの歩みを
支えてくださったことに感謝します。
この地域で旅する共同体として、
神の国の実現を待ち望みながら
ともに祈り、みことばに耳を傾け、
ご聖体に生かされて
人々とともに歩んできました。
この道のりを振り返るとき、
聖母マリアとともにあなたを賛美し、
すべてがあなたの恵みによるものと強く感じます。
福音を証しし、宣べ伝えるよう
わたしたちを派遣されたイエスの呼びかけに
十分に応えられなかったことをおゆるしください。
天の父よ、これからも
あなたの愛にとどまりながら、聖霊に導かれて
福音の光をともしていくことができるように
わたしたちを見守ってください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。